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べてる祭り最終日

ファーブラ
08 /26 2012
今日でべてる祭りも終わり。
乗馬公園で、馬介在療法について。

まずは東大名誉教授・局 博一先生による
"馬介在療法の未来のために"

5500万年前の馬の始祖・エオヒッポスの話から、それから人間の文化と保護の関係、動物界における人間との関係の進化(食物・運搬・移動・農業・兵器・伴侶・セラピー)、人間にとっての馬の関心の意味(権威・富の象徴、祭祀・神事での役割、美・気品、悠然、愛嬌、憂い、接触欲求など)。

そこから人の長寿願望やQOL、医療費についての現状や、実験によるストレス緩和作用の結果など、とても学術的かつ実際的な話を聞くことができました。
実験によると、高血圧の人が薬だけで3ヶ月過ごすのと、薬と伴侶動物と3ヶ月すごすのでは、平穏時には有意差がみられないがストレス状況下では伴侶動物と過ごした人の方が血圧が上がりにくく、また心拍数やレニンの分泌も上がりにくいという結果が見られたそうです。
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ヒポセラピーという、馬介在療法の実際としては、補助医療としての将来性が高く、作業療法・理学療法・教育の有益な手段として用いられ、リハビリの促進・心身の発達補助・コミュニケーション(言語・表情・行動)の促進に効果があるとされています。
その効果の作用機序についてや障害者乗馬医療育のパイオニア・村井正直先生の紹介、科学的根拠が世界でも認知されていることなどから、生体調節系の向上・QOLの改善に効果がある裏づけが語られました。

対象として、脳性麻痺・ダウン症・発達障害・中途障害から、高齢者・生活習慣病・ひきこもり等、その他幅広い層に効果があるそうです。
資料は特になくパワーポイントのみでのレクチャーでしたが、なんとなく思っていた効果が東大教授のわかりやすい口頭説明で裏付けられると、なんとなく「やっぱり馬ってすごいよね!」と誇らしい気持ちになったり、優駿発祥の地である浦河を含む日高の事がなおさらすごく思えてきたりと、いい意味での刺激を受ける事ができました。
今後の課題でもある、障害者乗馬インストラクター養成や研修センター・専用馬生産育成なんかにも、きっと浦河・日高は高い貢献を果たすだろうな!なんて思いました。

その後はなんと、武田鉄也さんが駆けつけてくれてのトークショー!!
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べてるのメンバーさんに教授をパネラーとして、向谷地さんの司会による「馬の癒し・馬との経験」について話が進みました。
戦争の使役動物としての存在でもあった馬が、今では平和の象徴動物である事や、馬の持つ優しさから始まり、以前は調教していたけど中途障害で足の動かなくなった方の、車椅子になってから「乗せてくれるのか?」という不安やそれに応えてじっとしていてくれた馬の事、足で伝えられないので「動いてくれ」と言ったら本当に動いてくれた感動など、聞きごたえのあるトークが繰り広げられました。

トークの後には実際に高齢者や肢体不自由児・ダウン症児の乗馬体験を見学。
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乗馬用にトラックの荷台を使って、馬の背にはその人にあった形を作り、複数のサポーターが身体を支えながら馬場を周回。
乗っていた方もとっても嬉しそうで、みんなからの応援の拍手には恥ずかしがりながらも頑張って頭を上げてくれたりと、会場全体とのふれあい・つながりも心温まるものがありました。

馬の背中が広く、おとなしくて乗りやすい馬が向いているそうですが、競走馬を引退してセラピー馬になる事もあるそうです。
自分では立てない人も、座位で乗馬すると立っているような姿勢になり、関節や筋肉にもよいそうです。
もちろん、馬とのふれあいやリズミカルな刺激や程よい緊張とリラックスもいいんですね。
障害の軽い人には乗るだけではなく、簡単なゲームも行われて盛り上がりました。
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武田鉄也さんがフランスで聞いた「日本人の偉大な所」は、「馬に人の名を与えている所」なんだそうです。
経営者や種番などの形式的な名ではなく、人と同じように名付け大切にする。
当たり前のようでいて、その実とても大切な関係の基盤になる精神性。
「人馬一体」は究極ですが、その前にはきっとそんな個の尊重とつながりが必要なんだな、と鉄也さんからまた当事者研究にも通じる心を学ばせて頂いた気がします。

段々晴れてきた空の下、高齢者も障害児もべてる関係者もファーブラ研修隊も、
Thanks Horse daysを存分に堪能してきたのでした。

ファーブラ

群馬県伊勢崎市の心療内科・精神科 華蔵寺クリニックの精神科デイケアです。ファーブラとは、ラテン語で「物語」を意味しています。

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